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このブログは、世の中の様々な「黙っていられん!!」ことを書くことを主旨としております。お客様や、お客様になるかも知れない方が読む可能性のあるブログではありますが、(書き手が勝手に決めたものながら)主旨を尊重し、常体文で記述して参ります。何卒お含みおきの上、お読みくださいますようお願いいたします。

ゆうひが丘の総理大臣

皆様、こんばんは。館長&代表の如瓶です。

今日最終回だったのだが、「ゆうひが丘の総理大臣」というドラマがTVKで再放送されていた。
厳密に言うと、同じTV局で二度目の放送となった場合が再放送であり、TVK的には初放送であるためか、番組表に[再]の記載はなく、便宜上再放送と書いたが、本当は別な呼び方があるのかもしれない。

で、初回の放送は1978年(日テレ)だったそうで、私が小学五年の頃。20時からの放送だったようで、番組のCMで主題曲を何度も聞いた記憶があるため、地元でも放映されていたと思うのだが、1話も観たことがなかった。放映時間的にも観ていておかしくなかったのだが、理由は思い出せない。

ともあれ、若い頃の中村雅俊(以下全て敬称は略します)のドラマは好きだったし、観てみようと思ったのだが、気が付いたのは10話目だったのが少し残念だった。
原作であるコミックも読んだことは無かったけれど、昭和の学園ドタバタコメディドラマなのだろうと思うと、観ていてしんどくなるかと思いつつも、観始めると週の前半に連日放映してくれることも手伝って、ちょっとした楽しみになってしまった。
「ご存じない方のために……」というにも大雑把すぎる内容の説明をすると、中村雅俊演じる(以下敬称略します)高校教師が舞台となる「ゆうひが丘高校」に赴任したところからドラマが始まり、教師と生徒、教師と教師、下宿先の住人などとの間で、青春やら友情やら人間関係やら、あるいは教育のあり方などについて、笑いあり涙ありで描かれる一話完結型のドラマであった。

観てみると、やはり昭和の学園ドタバタコメディ。中村雅俊のベタな三枚目ぶりとか、神田正輝の台詞回しの雑さとか、生徒たちの大きい芝居とか、令和のオッサンの目から見ると、トホホな感じも見受けられたが、印象に残っているそれ以降のドラマ群から比べれば新鮮にも感じられたし、昭和の頃はこうしたわかり易さがドラマには必要だったのかもしれないとも思えた。
まあ、一番目を見張ったのは職員室の顔ぶれで、教師役をやっている役者さんたちだけで、何本もドラマが撮れたのではないかと思うほどだが、令和の今からすればそう見えるだけで、当時は標準的なキャスティング(というか役者に払うギャラの予算)だったのかも知れないが、制作費不足に苦しむ今のテレビのことを思うと、やはり贅沢なキャスティングだったように思う。
そもそもテレビがメディアの主役だった時代のゴールデン枠のドラマであり、1年通して放映する予定だったわけだから、キャスティングも中途半端に済ませるわけには行かなかったのだろうけれど。

ドラマの造り的にも、エンディングテーマが流れ始めると、その回のストーリーを総括するようなシーンをセリフ無しで構成して流していたりしているあたりにも、昨今のドラマにはない贅沢さが感じられた。

ドラマの冒頭には、「一部不適切な表現も含まれますが制作当時のオリジナリティを尊重し……」と、今の時代に放映するからこそ必要となる字幕が表示されるのだが、それもその通り。
今ならセクハラだと言われそうな言葉遣いとか、プライベートな事情が元で教師同士で殴り合ったりとか、毎回のように生徒たちが仕掛けた落とし穴に教師である中村雅俊が落ちた後に、頭上のバケツから水が降り注ぐようなイタズラをするシーンとか、感極まった教師が生徒の頬を叩いたりとか、平成のモラルに馴染んでしまった立場からすると、少なからず愕然とするシーンが多数見受けられたのだが、そうしたシーンを今観てみると、どこか人間が人間らしく描かれていて、少しホッとするような気持ちになったのも事実であった。
いい時代だったんだな……と、ありきたりな感想を持ちつつも、その一方で「不適切な表現」が描かれなくなった昨今のドラマからは、人間臭さすら削除されているのだろうか……とも思えた。

40年ほど前のドラマだけあって、出演者の皆が若く、チラホラと他界された役者さんもいたりして、そのあたりも今観る昭和のドラマの醍醐味の1つではあるけれど、当時あまり魅力を感じなかった岡田奈々が、目映いほどの可愛子ちゃんだったことが、このドラマを見た中での一番の収穫だった……かな?

「ゆうひが丘」が最終回だった今日、明日からは、主役も制作陣も、自ら失敗を認めているという話を聞いたことがある、杉良太郎主演の刑事ドラマ「大捜査線」が始まる。う〜〜む、観始めたらそれなりに次回が気になるのかなあ。

以上、あまり昔は良かった的なことは書きたくないのだけれど、黙っていられませんでした。

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