13日の金曜美術館|アトリエ如瓶|ブログ・ヘッダ画像

このブログは、世の中の様々な「黙っていられん!!」ことを書くことを主旨としております。お客様や、お客様になるかも知れない方が読む可能性のあるブログではありますが、(書き手が勝手に決めたものながら)主旨を尊重し、常体文で記述して参ります。何卒お含みおきの上、お読みくださいますようお願いいたします。

007 リビング・デイライツ

皆様、こんばんは。館長&代表の如瓶です。

コロナ禍の影響もあったりなかったりで、更新というより、作画が遅れてしまい、お詫び申し上げます。
詳細は省かせていただくけれど、近々に電気を止められるようなことになるようなことは避けられる模様である。

さて、今回採り上げるのはシリーズ15作目の『007 リビング・デイライツ』。ボンド役もロジャー・ムーアからティモシー・ダルトンに変わった最初の作品である。
前回のブログで採り上げた『私を愛したスパイ』は10作目で、5作分すっ飛ばした形になるが、録画を失敗したり、録画できてもあまり描きたいシーンがなかったりで、ティモシー・ダルトンの初演作を選んだ次第。
本音を書くと、劇場で観たのも13作目である『オクトパシー』が最後で、それ以降は観に行かなくなったこともあり、それ以降の作品に思い入れが薄くなってしまったからでもある。

新ボンドのティモシー・ダルトンだが、個人的には結構好きなボンドだった。プライベートでもユーモアたっぷりだったというロジャー・ムーアと比べると、生真面目な印象を受けたし、金曜ロードショーで解説をしていた水野晴郎氏も、
「(ロジャー・ムーアと比べると)少し印象が堅い
と評していた。交代して一作目だから、先代と比較されるのはしょうがないが、私はコメディ色は少なくて良いと思っていたのだ。

見た目の印象というべきか、あるいは人柄なのか、映画自体のテイストも幾らかハードな雰囲気に変わり、このシリーズらしいユーモアも控えめになった感じではあるが、アクションシーンも豊富だし、ボンドカーの仕掛けも満載だし、カーラ役のマリアム・ダボも魅力的で、一作目としてティモシー・ダルトンも不満はなかったのではないだろうか。

ユーモアは控えめと書いたが、今回選んだシーンはこれ。

絵だけ観ても、どんなシーンだか分からないと思うので説明すると、ボンドカーのアストン・マーチンで、ボンドガールのカーラと共に、仕込んだ秘密兵器を駆使しながら、追っ手から逃げていたボンドだが、オーストリアの国境に近い雪山で、雪に突っ込んで動けなくなったアストン・マーチンを惜しげもなく自爆させ、カーラが持っていたチェロをケースから取り出し、開いたケースにボンドとカーラが乗っかり、取り出したチェロをオール代わりに使って舵をとって、国境を滑り抜けようとしているシーンである。
赤と白のバーにぶつけないように、くぐる寸前でボンドが放り投げ、くぐり抜けたらキャッチするという、何テイク目でOKになったろうかと思えるが、ユーモア含みのアクションシーンであり、007シリーズらしいシーンだと思えたので、描いたのである。
しばらく、人物や車などを続けて描いてきたので、風景画の要素の強い絵にしたかったというのも、選んだ理由だったりする。

ツッコむならば、大人二人がソリ代わりに乗っかって雪山を滑り降りるような使い方をして、ケースの蝶番が壊れないわけないだろ! と思うし、思ったとおりに操作できるものでもないと思うのだが、まあそこはシリーズらしいところ。
後で、銃弾を受けて穴が空き、オール代わりに使っていたチェロが、ストラディバリウスだったと知ったボンドが唖然とするというオチまでついている。
ひどい扱いをされたストラディバリウスだが、ケースは、大人二人が乗って雪山を滑り降りても壊れないという、良いPRになったかも知れない。

ハードなテイストに変わったと書いたけれど、このシーンの直前のカーチェイスでも、ツッコみどころが。
凍った湖の氷上でフロントの左タイヤを爆撃され、ホイールだけで走るシーンがあり、アストン・マーチンのドアの下辺りからソリを出して対処するシーンがあるのだが、このボンドカーは、氷上をソリを使って走るような事態を想定したということなのだろうか? また、タイヤを吹き飛ばされても氷上を走れるように想定していたというのだろうか?
いくら雪深い国での任務だったからといって、ストーリーに合わせて装備されたかのようだ。

と、細かいところをツッコんだけれど、それ以外については、大型の予算が組まれただけあり、アクションも大掛かりだしロケ地も多彩で、なかなか良くできた映画だったと思う。

正直なところ、描こうと思うシーンを探すのには苦労したし、雪の白は紙の色にするため描き残すのが難しかったけれど、それなりにイラストも納得いく出来になった事まで含めて、黙っていられませんでした。