8月10日・夕方まで
11:00頃、旭川に降りると、僕はルートチェックなどせずに、まずは市内を走り回った。
ネットによって、事前に得ていた情報によると、ここにはホーマックというホームセンターがあり、そこでならおよそ充分なキャンプ用品が入手できることを知っていたからだ。
僕の認識では、旭川を通過すると都市らしい都市はないので、サロマ湖へ行くならここが最後の物資調達地点のはずだったのである。
僕は、あらゆる局面でよく忘れ物をする。そこで、持っていくものをリストアップし、PCに入力してプリントアウトして作ったチェックシートまで用意して、この旅行に望んだのだ。
煙草を吸う僕は、普段からオイルライターのZippoを愛用している。火が風で消えにくいので、煙草に火をつける以外にも役に立つことがあろうと思ったし、キャンプ場などワイルドな雰囲気の中で使ってこそ浮かばれようというもの。キャンプの雰囲気を満喫するためにも必携の小道具と思い、前述のチェックシートに、専用のオイルや予備の石まで書き加えていたのだ。
ところが!! 大間抜けの僕と来たら、オイルと石はチェックシートに蛍光ペンで印を付けるまでしてキチンと用意したにもかかわらず、肝腎のZippoだけは忘れてきてしまっていたのだ! いつも穿いているジーンズの後ろポケットに常に入っている物なので、チェックシートにも書き込んでいなかったのだ。
最初に休憩をとったS.A.で、それに気づいた瞬間、僕は自分のマヌケぶりに腰が抜けそうになった。
そうした経緯で、荷物として持って行くよりも、現地で調達した方がよいものと一緒に、できることならZippoも購入したかったのだ。その都市随一のホームセンターなら、Zippoがおいてある確率はゼロではない。