上掲のTシャツと同じクライアントから、これもグッズとしてステッカーも作りたいとの依頼がありました。
もともと、虹のアーチ上にロゴが配置され、その下にブルテリアの飼い犬などの絵柄が配置されているロゴが随所に使われていましたが、法人の同じ敷地内にある（海辺ではない）カフェを、海辺にあるような雰囲気にしたいという希望があったそうで、そうした雰囲気を出すためにも、ステッカーに海辺のカフェの雰囲気を盛り込み、なおかつもともとあったロゴの虹のアーチは生かしたものにしたいとのことでした。
ご希望どおり、虹のアーチの下に、海辺のカフェを組み込んだ図案を、時間をかけてAdobe Illusutratorにて制作し、要望には応えられていつつもイラストとしてもまずまずの完成度になったと思い、第一案完成後すぐの早朝に、LINEで画像を送ったところ、数分と経たないうちに「形はカマボコ型！」と一言だけNGの返信を頂き、ボツになりました。
この案の着手前に、随所に使われていたロゴが、印刷物のコピーを切り抜くなどして使われており、だいぶ鮮やかさも失われていたので、同じ使い方をするにしてももっと鮮明に使えるようトレースし、若干の調整をしたロゴをお送りしたところ（無料）、大変喜んでくださったのですが、このほぼ半円状のロゴを若干アレンジしたようなものがご希望だったようで、それではデザイン料を頂くわけにはいかず、なおかつTシャツのデザインも、法人内のイラストが得意なアルバイトさんに図案を考えてもらったと、LINEで鉛筆描きの画像を送られてきたので、このクライアントに対してデザイナーとして役に立てることはなさそうだと判断し、手書きの図案でもTシャツにプリントしてくれるサービスがあるTシャツの業者さんを紹介した上で、当アトリエとしては全面的に撤退することにしました。
クライアントに対してどこまでご希望に対応するかは、デザイナーによって考え方は違うと思いますが、旧来のデザイン物の複製や、クライアントが用意した図案を業者への発注代行をするのは、やはりデザイナーの仕事ではないというのが当アトリエのあり方であり、その辺りを最初にご理解いただかなかったのが、この案件での反省点でした。